断熱施工部

ゾーン断熱改修のセオリーと施工の要点

『新建ハウジング』において、さいたま断熱会議 工務店チームの神木工務店が取材を受け、掲載されました。
内容は「ひと部屋からできるゾーン断熱改修のセオリーと施工の要点」について。

家の中での夏の暑さや冬の寒さに困っている方は意外にも多いです。
しかし、断熱リフォームは金額も張りますし、工期も長くなってしまうことも…。
そんな時に!費用をなるべく抑えながら夏の暑さ・冬の寒さを短期間で改善する方法「ゾーン断熱改修」があります。
簡単に説明すると、全部を改修するのではなく、ひと部屋や場所を特定して改修する方法です。

①ひと部屋断熱の基本的な手法
1)ゾーン断熱改修にはさまざまな方法があるものの、応用が効きやすいのは室内側から床や壁、天井をすべて解体して断熱材の施工と気流止めを行う方法です。
部分的ですが軸組が露出するので、柱頭柱脚金物の補強や面材耐力壁による耐震改修も同時に可能となります。

1)内側から床や壁、天井をすべて解体

②各部位の断熱施工のポイント
床断熱は断熱厚を確保するため大引間断熱で、ポリスチレンフォーム90mm厚を充填した上で厚合板を張り、施工床を確保します。
1)床と壁の取り合い部分の隙間には、気流止めのためにグラスウールを詰めて壁内を床下からの冷気を防ぎます。
2)壁と天井の断熱には袋入りグラスウールを用います(大壁の部分は100mm厚、和室と取り合う真壁の部分は50mm厚、天井には155mm厚)
3)天井の場合はグラスウールを袋から取り出して野縁の隙間から天井裏に施工し、その上でグラスウールが入っていた袋をつなげて防湿シートのように野縁の上から天井一面に張ります。
4)その際、壁と天井の防湿気密シートが連続するように天井と壁の袋入りグラスウールの取り合いに気密テープを貼ります。

1)床は大引+厚合板の剛床に
1)XPS90㎜厚を大引間に充填
2)床と壁の取り合いにグラスウールを詰める
3)袋を広げてつないで野縁の上から全面に張る
4)天井と壁のシート(袋)をつなぎ気密テープを貼る

③室内建具を片引きに変更
ゾーン断熱改修で工夫が必要なのは室内建具ですが、断熱気密に優れた製品はありません。
既存の建具が引違いであれば、片引きにして建具1枚分を壁に変えます。
1)片引き戸の引き代になる壁にはポリスチレンフォーム30mm厚を充填することで、気密性も改善されます。
2)なお、窓については内窓を取り付けます。
3)ゾーン断熱改修は空間の6面すべてを断熱材で覆うため温熱環境は大きく変わります。関東以西であればエアコン暖房だけで十分な暖かさが得られるようになります。

1)建具を片引きにしてXPS30㎜厚の壁を増設
2)窓は樹脂サッシ+Low-Eペアガラスの内窓
3)熱画像で撮影し温度ムラがない環境

住まいは家族が幸せに暮らすためにあります。
だからこそ、心も身体もゆったり快適に過ごせる環境づくりが大切です。

一級建築士事務所 有限会社 神木工務店

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